ヤングケアラーさんって、今までどんな経験をしてきたのかな?
どうも、ケアラーさんの経験談に興味を持った若者ケアラー当事者の...ぽまるんです!
うつ病の母親と暮らす日々のなかで「他の人のお話を知ってみたいな」という気持ちから手に取ってみた一冊が、ヤングケアラー わたしの語りでした。
読み進めるうちに、当事者の思いとか歩んできた道を知れて本当によかった〜
そこで今回は、
- ヤングケアラー わたしの語りの内容
- 本書を読んで実感したこと
- 読みながら考えてみたこと
- 本書をおすすめしたい人
についてお話していきます。
本記事はこんな方におすすめ
- ヤングケアラーに興味を持っている方
- 家族のケア経験がある方
ヤングケアラー わたしの語り|基本情報
ここでは、まず本書「ヤングケアラー わたしの語り」に関する基本情報をお伝えしています。
タイトル | ヤングケアラー わたしの語り ――子どもや若者が経験した家族のケア・介護 |
著者 | 澁谷智子 |
ページ数 | 216ページ |
出版社 | 生活書院 |
発売日 | 2020/10/31 |
ヤングケアラー わたしの語り|本書の内容
本書「ヤングケアラー わたしの語り」は当事者だった7名の書き手が、それぞれのストーリーを執筆した一冊です。
- 認知症の祖母をケアするお話
- 耳が聞こえない両親に育てられたお話
- 精神疾患を持つ母親とのお話
など色んな経験談を知ることができます。
「心に響く言葉も共感できるポイントもたくさんあって泣いちゃうくらい!」
「当事者として生きてきてよかったと感じられることもあるのかも」
「書き手と繋がることで私は1人じゃない」
「今までしてきたことが報われた」
と思えるような内容でした!
ヤングケアラー わたしの語り|読んで実感したこと
ヤングケアラー わたしの語りを読んでみて実感したことがあるので、早速ご紹介していきます!
繋がりを持つことの心強さ
うつ病の母親と暮らしていると、私自身が孤独感を感じて心細さを感じていた時期もありました。
当時は2人だけで孤島にいるみたいで、外部の人との繋がりを持ちたかった...!
そんな過去の自分を振り返りながら、下記を読んで改めて実感したことは繋がりを持つことの心強さです。
私は自分の経験を元に、ヤングケアラーには少なくとも二種類の人達が必要だと思っています。ピアグループと傾聴してくれる大人です。私がケアラーだった時にピアグループと繋がることができていたら、どれだけ心強かったでしょう。
ヤングケアラー わたしの語り――子どもや若者が経験した家族のケア・介護|澁谷智子
ピアグループなど外部の人と繋がりを持つことって、本当に大切で必要なことだと思います。
私も半分ゴミ屋敷の我が家のことで、困っていた時に社協へ相談してみて繋がりを持てただけで心が救われました。
また何かあった時に、家庭内のことを相談できる場所ができたみたいで心強かったです!
うつ病の母親は悪くない
「ケアされてる人が悪い」なんて言葉を誰かに投げかけられたり、心の中で思うことってありませんか?
私は誰かに言われた経験はないのですが...。
心に余裕がない時は特に、うつ病の母親が悪いだとか自分が悪いだとか責めがちな時もありました。
そんな私が下記を読んで実感できたことは、うつ病の母親は悪くないということ。
僕は約一六年間介護を続けてきたけれど、誰かが悪いなんて思ったことは一度もない。誰のせいでもないし、誰も悪くない。
ヤングケアラー わたしの語り――子どもや若者が経験した家族のケア・介護|澁谷智子
「たしかにそうかもしれない」
「うつ病の母親も、こうなりたかったわけではない」
「むしろ今まで頑張ってくれていた...!」
何かと責めがちだった心を救ってくれたみたいだった...!
誰も悪くないことを実感すると、責めがちだった心の傷も癒されていくみたいでした。
ヤングケアラー わたしの語り|考えたこと3選
ここからは、ヤングケアラー わたしの語りを読みながら考えたことについてお話していきます!
今の自分には何が必要か
一人暮らしをしている彼氏の家は、私にとって1つの居場所でうつ病の母親から離れられる場所ですが...。
彼氏に手料理を作って洗い物をしたりだとか、家のことから離れているようで離れていないように感じる時もあるんですよね。
だからこそ、下記を読むと今の自分には何が必要か考えるきっかけになったんです。
家族の介護をしている若い人にとって、家でもなく日常的に通う場所でもない、第三の居場所が必要だという意味で。
ヤングケアラー わたしの語り――子どもや若者が経験した家族のケア・介護|澁谷智子
一時的にでも、家のことから離れられるような居場所がもっと必要だと思いました。
そんな居場所を見つけられたら、少しは自分のためになるのかなと思います。
うつ病の母親が亡くなった後
うつ病の母親が亡くなった後のことを考えるだけでも、私はネガティブな感情でいっぱいになりそうで...。
本書を読む前までは考えないようにしていましたが、うつ病の母親が亡くなった後について考えるきっかけにもなりました。
スキルを身に付けたくてひたすら勉強をし、二〇代後半で奨学金を得て渡英し、大学院で一年間学び、その後仕事の関係で渡米しました。そしてその半年後に母は自死しました。
ヤングケアラー わたしの語り――子どもや若者が経験した家族のケア・介護|澁谷智子
「もし私の母親も亡くなったら、どんな感情になるのかな?」
「少し想像してみて考えるだけでも怖いけど...」
「その先の人生を歩んでいけるのかな?」
やっぱり不安でいっぱいにはなりますが、
- 生んでくれたこと
- 母親なりに私を育ててくれたこと
母親に対する感謝の気持ちを忘れないように生きていきたいですね。
未来を生きてる自分の姿
「私の人生って何の意味があるのかな?」
「この経験が役立つ日は来るのかな?」
だとか疑問に思うことはあっても、自分の将来についてじっくり考える時間もありませんでした。
母親や家のことが頭の中から離れず、自分を後回しにしすぎているからだと思います。
それでも下記を読みながら、未来を生きてる自分の姿を想像して色々と考えることができました。
自分の人生は何なんだろうと問い続けながら、自分だけでなく家族の人生についても問い続けた。そして答えがない中で、自分なりの最適解を見出し、めげずに乗り越えてきた。こういった経験から培った能力を、何らかのかたちで社会に還元できるとは考えられないだろうか。
ヤングケアラー わたしの語り――子どもや若者が経験した家族のケア・介護|澁谷智子
「いつか私と同じように悩んでいる人の話を聞きたい」
「それでケアラーさんの心が少しでも軽くなったら...」
「私自身、うつ病の母親と暮らしてきてよかったって思えるはず!」
こんな風に想像してみたら、いつの日かケア経験そのものを肯定できる気がしたんです。
ヤングケアラー わたしの語りをおすすめしたい人
本書「ヤングケアラー わたしの語り」は
- 家族のケアをしている方
- ケアをしていると感情を見失いがちな方
- ケア人生を見つめ直したい方
- 当事者のお話に興味がある方
- ヤングケアラーのことを知りたい方
- 当事者が身近にいる方
に「おすすめしたい一冊だ」と思いました!
ケア人生を振り返るきっかけになった良書
今回はヤングケアラー わたしの語りについてお話しましたが、いかがでしたでしょうか?
若者ケアラー当事者の私にとっては、ケア人生を振り返るきっかけになった良書です!
本書を通して色んなことを考えて実感しながらも、自分の感情と向き合うことができて心も救われました。
当事者の方にとっては、本を読む時間を作るのも難しいかもしれませんが...。
「今なら読めそうだな〜」と思った時にでも、ぜひ一度ケア人生を振り返りながら読んでみてくださいね。
読者の皆様、今日も生きていてくれてありがとうございます。
それではまた~お会いしましょう!